産業廃棄物の中間処理業とは

産業廃棄物中間処理業とは

産業廃棄物を処理する事業は、産業廃棄物を運搬する「産業廃棄物収集運搬業」と、産業廃棄物について埋立、海洋投棄、焼却、破砕、脱水、中和等を行うことによって安全化、安定化、減量化する「産業廃棄物処分業」があります。

産業廃棄物処分業は、埋立、海洋投棄を行う「最終処分」と、焼却、破砕、脱水、中和等を行う「中間処理」に分けられます。

産業廃棄物処理業 産業廃棄物収集運搬業 積み替え保管なし
積み替え保管あり
産業廃棄物処分業

産業廃棄物中間処理
焼却、破砕、脱水、中和、圧縮、等)

産業廃棄物最終処分業
(埋立、海洋投棄)

 

「中間処理」とは前述の通り、廃棄物を「安全化」「安定化」「減量化」する行為をいいます。
したがって、「安全化」「安定化」「減量化」しない作業は、「中間処理」とはなりません。
たとえば「安全化」は、感染性の廃棄物を焼却によって感染性を除去するようなケースがあたります。

産業廃棄物の中間処理を事業として営む(産業廃棄物中間処理業)ためには、廃棄物の処理および清掃に関する法律(いわゆる「廃棄物処理法」「廃掃法」)の規定により許可が必要です。
また、一定規模以上の処理施設は、自社の廃棄物を処理する施設であっても設置するための許可が必要となります。
産業廃棄物の処理を事業として行う場合で、一定規模以上の処理施設を設置する場合には、施設設置のための許可と、事業としての許可が必要となります。

産業廃棄物中間処理業を営むための許可は

前述の通り、産業廃棄物処分業を営業するためには許可が必要となります。
必要となる許可には、処理施設の設置許可(15条許可)と業の許可(14条許可)があります。

15条許可は、産業廃棄物処理施設を設置するにあたって必要な許可です。したがって、15条許可を得た時点では産業廃棄物処理施設は存在していない事が前提です。許可後に着工するのが手順です。
なお、15条許可は、全ての産業廃棄物処理施設において必要となるのではなく、原則として、次の規模を有する施設が対象となります。

    • 汚泥の脱水施設→10立米/日を超えるもの
    • 汚泥の乾燥施設→10立米/日を超えるもの
    • 焼却施設→200キログラム/H以上
    • 中和施設→50立米/日を超えるもの
    • 破砕施設→5t/日を超えるもの
    • 最終処分場→全て

また、廃掃法の許可要件の他に、自治体によって条例等で規制が設けられている場合や、他の法令(都市計画法、建築基準法など)で制限がある場合がありますので、産業廃棄物処理施設を設置する際は細心の注意が必要です。
14条許可は、他社の産業廃棄物を処理することを業として営むために必要な許可です。

14条許可の要件は大きく、施設・機材・技術に係る要件、人的な要件及び財産的な要件に分けられます。

施設・機材の要件は、15条許可の必要な施設を利用して営業する場合も、15条許可が必要でない施設を利用して営業する場合も充たす必要があります。

人的要件は、主に許可申請者が欠格要件以外等していないことが必要です。

産業廃棄物中間処理業の許可申請については、こちらの産業廃棄物処理業(中間処分業)の許可申請代行についてのページをご覧ください。


産業廃棄物処分業に関連する条文集

廃棄物の処理及び清掃に関する法律(抜粋)

(産業廃棄物処理業)
第14条
産業廃棄物(特別管理産業廃棄物を除く。以下この条から第14条の3の3まで、第15条の4の2、第15条の4の3第3項及び第15条の4の4第3項において同じ。)の収集又は運搬を業として行おうとする者は、当該業を行おうとする区域(運搬のみを業として行う場合にあつては、産業廃棄物の積卸しを行う区域に限る。)を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、事業者(自らその産業廃棄物を運搬する場合に限る。)、専ら再生利用の目的となる産業廃棄物のみの収集又は運搬を業として行う者その他環境省令で定める者については、この限りでない。
2 前項の許可は、五年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。
3 前項の更新の申請があつた場合において、同項の期間(以下この項及び次項において「許可の有効期間」という。)の満了の日までにその申請に対する処分がされないときは、従前の許可は、許可の有効期間の満了後もその処分がされるまでの間は、なおその効力を有する。
4 前項の場合において、許可の更新がされたときは、その許可の有効期間は、従前の許可の有効期間の満了の日の翌日から起算するものとする。
5 都道府県知事は、第1項の許可の申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。
一 その事業の用に供する施設及び申請者の能力がその事業を的確に、かつ、継続して行うに足りるものとして環境省令で定める基準に適合するものであること。
二 申請者が次のいずれにも該当しないこと。
イ 第7条第5項第4号イからトまでのいずれかに該当する者
ロ 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員(以下この号において「暴力団員」という。)又は暴力団員でなくなつた日から五年を経過しない者(以下この号において「暴力団員等」という。)
ハ 営業に関し成年者と同1の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人がイ又はロのいずれかに該当するもの
ニ 法人でその役員又は政令で定める使用人のうちにイ又はロのいずれかに該当する者のあるもの
ホ 個人で政令で定める使用人のうちにイ又はロのいずれかに該当する者のあるものヘ暴力団員等がその事業活動を支配する者
6 産業廃棄物の処分を業として行おうとする者は、当該業を行おうとする区域を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、事業者(自らその産業廃棄物を処分する場合に限る。)、専ら再生利用の目的となる産業廃棄物のみの処分を業として行う者その他環境省令で定める者については、この限りでない。
7 前項の許可は、五年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。
8 前項の更新の申請があつた場合において、同項の期間(以下この項及び次項において「許可の有効期間」という。)の満了の日までにその申請に対する処分がされないときは、従前の許可は、許可の有効期間の満了後もその処分がされるまでの間は、なおその効力を有する。
9 前項の場合において、許可の更新がされたときは、その許可の有効期間は、従前の許可の有効期間の満了の日の翌日から起算するものとする。
10 都道府県知事は、第6項の許可の申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。
一 その事業の用に供する施設及び申請者の能力がその事業を的確に、かつ、継続して行うに足りるものとして環境省令で定める基準に適合するものであること。
二 申請者が第5項第2号イからヘまでのいずれにも該当しないこと。
11 第1項又は第6項の許可には、生活環境の保全上必要な条件を付することができる。
12 第1項の許可を受けた者(以下「産業廃棄物収集運搬業者」という。)又は第6項の許可を受けた者(以下「産業廃棄物処分業者」という。)は、産業廃棄物処理基準に従い、産業廃棄物の収集若しくは運搬又は処分を行わなければならない。
13 産業廃棄物収集運搬業者その他環境省令で定める者以外の者は、産業廃棄物の収集又は運搬を、産業廃棄物処分業者その他環境省令で定める者以外の者は、産業廃棄物の処分を、それぞれ受託してはならない。
14 産業廃棄物収集運搬業者は、産業廃棄物の収集若しくは運搬又は処分を、産業廃棄物処分業者は、産業廃棄物の処分を、それぞれ他人に委託してはならない。ただし、事業者から委託を受けた産業廃棄物の収集若しくは運搬又は処分を政令で定める基準に従つて委託する場合その他環境省令で定める場合は、この限りでない。
15 第7条第15項及び第16項の規定は、産業廃棄物収集運搬業者及び産業廃棄物処分業者について準用する。この場合において、同条第15項中「一般廃棄物の」とあるのは、「産業廃棄物の」と読み替えるものとする。

(産業廃棄物処理施設)
第15条
産業廃棄物処理施設(廃プラスチック類処理施設、産業廃棄物の最終処分場その他の産業廃棄物の処理施設で政令で定めるものをいう。以下同じ。)を設置しようとする者は、当該産業廃棄物処理施設を設置しようとする地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。
2 前項の許可を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を提出しなければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
二 産業廃棄物処理施設の設置の場所
三 産業廃棄物処理施設の種類
四 産業廃棄物処理施設において処理する産業廃棄物の種類
五 産業廃棄物処理施設の処理能力(産業廃棄物の最終処分場である場合にあつては、産業廃棄物の埋立処分の用に供される場所の面積及び埋立容量)
六 産業廃棄物処理施設の位置、構造等の設置に関する計画
七 産業廃棄物処理施設の維持管理に関する計画
八 産業廃棄物の最終処分場である場合にあつては、災害防止のための計画
九 その他環境省令で定める事項
3 前項の申請書には、環境省令で定めるところにより、当該産業廃棄物処理施設を設置することが周辺地域の生活環境に及ぼす影響についての調査の結果を記載した書類を添付しなければならない。ただし、当該申請書に記載した同項第2号から第7号までに掲げる事項が、過去になされた第1項の許可に係る当該事項と同1である場合その他の環境省令で定める場合は、この限りでない。
4 都道府県知事は、産業廃棄物処理施設(政令で定めるものに限る。)について第1項の許可の申請があつた場合には、遅滞なく、第2項第1号から第4号までに掲げる事項、申請年月日及び縦覧場所を告示するとともに、同項の申請書及び前項の書類(同項ただし書に規定する場合にあつては、第2項の申請書)を当該告示の日から一月間公衆の縦覧に供しなければならない。
5 都道府県知事は、前項の規定による告示をしたときは、遅滞なく、その旨を当該産業廃棄物処理施設の設置に関し生活環境の保全上関係がある市町村の長に通知し、期間を指定して当該市町村長の生活環境の保全上の見地からの意見を聴かなければならない。
6 第4項の規定による告示があつたときは、当該産業廃棄物処理施設の設置に関し利害関係を有する者は、同項の縦覧期間満了の日の翌日から起算して二週間を経過する日までに、当該都道府県知事に生活環境の保全上の見地からの意見書を提出することができる。


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